株式会社大丸松坂屋百貨店が2021年に開始した、ハイブランドファッションに特化したサブスク型ファッションレンタルサービス「AnotherADdress」は、⽉額制で、国内外の洗練されたブランドの中から好きなアイテム3着を1ヶ⽉間レンタルできるサービスです。
サービスの立ち上げにあたり、レンタル・サブスクビジネスに必要な機能を標準装備するWMSと3PL物流サービスにより構成される物流サービス「レコビス」を導入いただきました。
- レンタル・サブスク事業に必要な返却受入、個品管理、メンテナンスなど煩雑な物流の構築
- 物流管理システム(WMS)開発にかかるコスト負担
- 循環型物流に対応する物流サービス「レコビス」の導入
- 月額固定料金のパッケージ型WMSによる初期投資の抑制
- レンタル・サブスク事業の安定稼働
- 将来の事業拡大にも対応できる物流体制
- 初期投資を抑えた新規事業のスタート
レンタル・サブスク事業に必要な返却受入、個品管理、メンテナンスなど煩雑な物流に対応するシステムの構築
大丸松坂屋百貨店さまは、これまでの百貨店事業にはない、ファッションのレンタルという新しい事業の立ち上げを進めていました。
レンタル・サブスクビジネスでは、製品がさまざまなお客さまのもとへ届けられ、利用された後、倉庫へ返却され、クリーニングされます。一般的な販売型物流では一方向に商品が流れていくのに対して、レンタル物流では、商品がお客さまから倉庫、またお客さまへと循環するため、循環型の物流運用が必要になります。
上記の図のように、循環型物流は販売型物流とは大きく運用が異なり、返却受入、状態確認、クリーニング・修繕などを個品ごとに管理するための複雑な物流運用の構築が必要になります。一方で、新規事業に求められるスピード感・予算規模を考えると、スクラッチ開発による多額の初期投資でのシステム開発は難しい状況にありました。
レンタル・サブスクビジネス向け物流サービス「レコビス」をご提案
このような課題を解決する方策として、当社のレンタル・サブスク事業向け物流サービス「レコビス」をご提案しました。
循環型物流に対応するレコビスの3つのポイント
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1. お客さまから返却されたレンタル品の細かな状態確認が可能
アパレル品の返却・検品作業時に確認が必要となるさまざまなデザインやカラーの状態を、システム上で新品の商品画像と比較して容易に確認できます。
これにより、商品の経年変化や劣化など、細かな状態のチェックが可能になります。 -
2. お客さまのご使用状況により変化する商品状態を、1品毎に把握
商品の入出荷・返却はもちろん、貸し出し回数や商品状態などのデータもシステム上で個品管理します。1品1品に対して、適切なメンテナンスや中古販売・廃棄などにも対応します。
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3. クリーニング会社など関連するパートナー企業との連携
アパレル品のレンタル・サブスクビジネスには不可欠なクリーニング会社との連携をスムーズに行うために、RFIDを活用した一括検品などを導入し、高効率なオペレーションを可能にしました。
レコビスは、入出荷作業のほか、商品返却・メンテナンスといったレンタル特有の作業まで、効率的かつスピーディーな物流運用を構築します。
初期投資を抑え、月額固定料金で精緻な物流サービスの提供が可能です。
日立物流のレンタル物流の運用実績とノウハウをベースに、個品管理、クリーニング連携などレンタルビジネスに必要な循環型の物流サービスをワンストップで提供する体制を構築しました。
信頼される協創パートナーとしての関係を構築
2021年3月から、「レコビス」を利用した大丸松坂屋百貨店さまのファッションのサブスクリプション型ファッションレンタルサービス「AnotherADdress」がスタートしました。
レコビス活用により、レンタル物流を効率的に運用する物流体制を初期費用を抑えながら構築し、安定稼働を実現しました。ハイブランドのファッションレンタルに必要な、丁寧で精緻な商品管理と効率的なサービスを提供しています。
大丸松坂屋百貨店さまのAnotherADressは当初の計画を上回るお客さまにご利用いただいており、利用者数はますます増え続けています。
ビジネス立ち上げからサービス開始、そして現在まで、定期的にミーティングを開催し、大丸松坂屋百貨店さまからのご要望や当社の運用上の気づきに基づく業務改善を、継続して行っています。今後も大丸松坂屋百貨店さまのレンタル・サブスク事業拡大・発展に合わせ、協創パートナーとして満足いただけるサービスを提供してまいります。