株式会社大運組
- 業種
- 一般区域貨物自動車運送事業、港湾荷役運送事業、
産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業
- 社員数
- 36名
- 保有車両台数
- 15台
- 主な顧客の業種
- 海運業、製造業、造船業、運輸業
- 課題
-
- 点呼だけでは把握ができないドライバーの健康状態を、会社として適切に管理する必要性を感じていた。
- 安全教育を自社で行っていたが、効果があまり見られなかった。形骸化することなく改善を促す仕組みや、環境づくりに課題を抱えていた。
- 導入の決め手
-
- 朝夕の体調総合判定によってドライバーごとに定量的な体調把握ができるため、確かな数値データを元にした健康管理ができる。
- 一人ひとりの運転傾向の分析レポートや、危険運転の切り出し動画などの客観データを活用し、ドライバーが納得できる安全教育をおこなえる。
- 効果
-
- ドライバーの体調を管理する環境が整った。ドライバー自身も健康意識が高まり、体調チェックを欠かさず行うようになった。
- ドライバーへの安全教育の説得力が増した。さらに、ドライバー間でも検知内容に関する情報共有や会話の機会が増え、会社全体の安全に対する意識が向上した。
お話を伺った方:
代表取締役 松本英高氏
朝日町営業所 所長 田川公憲氏 ※運行管理者(責任者)
事務兼代務者 藤澤桂子氏 ※配車担当者
ドライバー 植田浩幸氏
従来の定形的な安全教育だけではドライバーの健康と安全は守れない
日々のドライバーの業務について、課題として認識されていることはありますか?
松本氏:
ドライバーの安全です。安全教育は毎月行っていますが、しばらく経つと気が緩むのか、トラックを何かに当ててしまうようなことが年に何度かはありました。やはり、安全教育だけでは限界があるのではないかと考えていました。
加えて、ドライバーの健康管理も課題のひとつでした。ドライバーが心身ともに健康であることが、運行上の安全にも大きく関わってきます。これまでドライバーの健康状態の確認は点呼者が目視でチェックしていました。しかしながら、見た目だけでは本当の健康状態はわかりません。ドライバー自身でも、疲れなのか、ただの寝不足なのか、深刻な状態になる兆候なのか、把握しづらいというのが実情でした。しかも、いったん会社を出て運行を開始してしまえば、ドライバーの健康状態に変化があっても、会社としてできることには限りがあります。ドライバーが無理をすることなく、本当に健康な状態で日々、運転ができているか、そうした管理の必要性も感じていました。
御社として、ドライバーの安全・安心をどのように考えていますか?
松本氏:
ドライバーがもしも事故を起こしてしまうと、何一つとして得になることがありません。ドライバーをはじめとして、従業員をしっかり守ることが大事だと考えています。また、ドライバーが減少傾向にあるなかで人材を確保するためにも、健康と安全を守り、安心して働ける環境を作ることが必要です。
導入後のサポート、データ分析がドライバーの理解を促進
どのような経緯でSSCV-Safetyを知りましたか?
松本氏:
全日本トラック協会会長から、「トラックの安全運行と、ドライバーの健康管理が重要である運送事業者にとって、日立物流さんのSSCV-Safetyは参考になるから、交通対策委員会で研究しましょう」と言われたのが最初です。
SSCV-Safetyのサービス内容を詳しく聞き「リアルタイムで、運行状況の確認とドライバーの健康状態を把握できるのはすごい」と思いました。話を伺った一週間後には、日立物流さんへ連絡していました。
走行中の運行状況についてはドライブレコーダー(以下、ドラレコ)でも把握することが可能です。SSCV-Safetyと通常のドラレコの違いについてどのように感じられていますか?
田川氏:
まず一番の違いは、管理者が会社にいながらにして、リアルタイムで走行中のトラックの運行状況を確認できることです。ドラレコの場合、ドライバーが帰社するまで、運行状況のチェックはできません。しかも、SSCV-Safetyは、ドライバーの健康状態もリアルタイムで確認できます。加えてありがたいのが、日立物流さんからのサポートです。SSCV-Safety導入後には、運行状況や危険運転検知の傾向、回数などのデータをドライバーごとに分析したレポートを何度もいただきました。日立物流さんがこれまでに蓄積してきた客観データがもとにありますから、ドライバーたちの納得感もあります。
朝・夕、2回の体調総合判定がヒヤリハットへの注意を喚起
SSCV-Safetyを導入した当初、どのようなサポートがありましたか?
松本氏:
これまでに同じようなサービスを導入したことがなく、最初から"すんなり"というわけにはいきませんでした。ドライバーは当初「監視されている」と感じていたようです。
しかし、私たちと同じ物流業界の日立物流さんが提供されるサービスですから、何ができるのか、どんな機能があるのかを理解していくたびに、当社が普段感じている課題を解決してくれるものだと確信していきました。基本的な使い方のサポートはもちろんですが、それ以上に、当社の走行データ・体調情報をもとにしたドライバー一人ひとりの運転傾向の分析レポートなどは、導入にやや抵抗感のあったドライバーの気持ちを和らげるのに大いに役立ちました。
担当の藤澤がキーパーソンとなって日立物流さんとのコミュニケーションを円滑にしたことも大きいと思います。社内に導入メリットをしっかり理解している担当者がいるかいないかで、せっかくの良いサービスも、うまく使いこなせるかどうかが違ってきます。
現在、御社では、特にどのような機能が役立っていると考えていますか?
植田氏:
当社では、毎日、朝の点呼前、夕方帰社した際の計2回、血圧、体温、血中酸素濃度、ストレス状況(自律神経の変化)といった体調総合判定をおこなっています。SSCV-Safetyは、個人別に日々のそれらの結果と過去のデータを比較して、ヒヤリハットが発生する確率がどのくらいありそうか、その日の出発前に注意喚起をしてくれるわけですが、「今日も安全に気を付けよう」と気持ちを引き締めるきっかけになっています。
藤澤氏:
導入してしばらくはこのヒヤリハット予報を、ドライバーはあまり信用していませんでした。ところが、あるとき、倉庫内で小さな接触事故が発生したことがあって、事故を起こした当事者には朝の点呼時に「ヒヤリハットに注意」と警告が出されていたことが判明しました。その一件から、ドライバーのSSCV-Safetyに対する信用が一気に高まったという気がしています。
それからはどのドライバーも、朝夕の体調総合判定を欠かすことがなくなり、SSCV-Safetyの診断結果をしっかり考えるようになりました。
「一時不停止」をきっかけに社内の安全意識をさらに高める
導入されてドライバーの方たちに何か変化はありましたか?
藤澤氏:
当社のドライバーの間では「一時不停止」が検知されることがよくあります。ドライバー自身で、「少し甘かったか」とか「ちょっと行き過ぎたかも」と気になったところでは、SSCV-Safetyでもしっかり「検知」されており、あっという間にドライバー全員が「SSCV-Safetyはすごい」という評価に変わっていきました。
植田氏:
導入前までは、帰社した際にその日の自分の運転に関して何か口にするようなドライバーは誰一人いませんでした。それが現在では「ひょっとしたら検知されたかも」と積極的に自己申告するようになり、管理者とのコミュニケーションが活発になりました。
藤澤氏:
検知された自分たちの映像が残っているので「あそこを通るときは気を付けよう」といった話をドライバー同士でよくしています。会社全体としても、安全に対する意識がより高まったという気がします。
健康意識向上のメリットは大きい このサービスを業界全体に広めてほしい
今後SSCV-Safetyの活用で考えていることはありますか?
松本氏:
従業員には年1回の健康診断が法律で義務付けられています。その診断結果は必ず提出させていますが、数値が悪くても「たまたま、その日は」と言い訳をする従業員も多く、健康指導にあまり関心を示さない従業員がほとんどでした。
しかし、いまはSSCV-Safetyの導入により、毎日体調総合判定をおこなっています。そのため「今日はたまたまだから」と口に出す従業員はいなくなり、全員、数値結果を素直に認め、すすんで病院にも行くようになりました。
私自身も、従業員に厳しく言う以上は、自分の健康管理をしっかりしなければと、生活習慣を思い切って見直しました。
これからも、SSCV-Safetyを活用しながら、従業員の健康を守っていきたいと思います。
最後に、御社が一番大事にしていることは何でしょうか?
松本氏:
僕は安全が一番大事だと考えています。
SSCV-Safetyを導入したときに感じたのは、ドライバーが配送中で会社から離れているときもずっと見守ってくれているということです。それは本当にありがたい。会社全体としての健康意識が高まっていくことで、事故やヒヤリハットはどんどん減っていくのではないかと考えていますし、実際に減ってきています。私たちの業界にとって、ドライバーの安全は絶対に確保しなければいけません。
その点でも、SSCV-Safetyは運送会社にメリットの大きいサービスです。業界のためにも、このサービスをぜひ広めていただきたいですね。
※所属部署、役職等は取材時のものになります。